ナウハウス所長の鈴木です。今何を感じ、どのように建築に向き合っているのかを伝えていければと思います。
ナウハウス一級建築士の高橋です。設計を通して感じたことや現場の進捗を気軽に綴っていきたいと思います。
ブログ
(87)
コラム
(24)
施工中の現場
(2)
お知らせ
(1)
その他
(0)
写真ブログ
(6)
〒430-0817
静岡県浜松市南区頭陀寺町330−20
TEL.053-461-3408
おおるり眼科クリニックの設計コンセプト
2006-07-06
設計コンセプトとは、理屈っぽくいうと、設計の前提条件とそれによってできた建築の形態的解決を媒介するものです。建築の具体的な形態の背後にあって、それを支え、形態決定のきっかけとなった思考の経過です。いわば建築設計の生産者側の設計という「しかけ」の組み立てで、設計に命を吹きこむ過程です。以下が「おおるり眼科クリニック」のコンセプトです。
このクリニックは島田市の大井川中流の北岸に位置しています。蓬莱橋も近い。「クリニックはパブリックでありたい」ことを基本方針として、「開かれているクリニック」を具現化したいと考えました。
周囲の環境や敷地の状況を注意深く観察し、存在を分かりやすくするための「ゲート」を入口に設け、「ルーフ」によって患者をクリニック内部へ誘導することにしました。クリニックの存在を示すゲートは鋼材のSS400を素地のまま使い、サビそのものを仕上げとしました。ゲートの色と素材感は「視認性」が良く、緑と調和して美しい。新年には青竹に替えて、「季節感」を表わします。
ゲートは正面からはきわめて「開放的」で、斜めからの「存在感」は大きく分かりやすい。ゲートから診察室にいたる「動線軸」と建築の「空間軸」を一致させ、軸の両側に駐車スペース、待合と受付、中待合と事務室、診察室と検査室をシンプルに配置させました。ルーフは雨の日と暑い日には特に便利で、評判がいい。ゆったりとした駐車スペース、開放感のある待合、水溜りをモチーフにした中庭、広い検査室は空間の抜けがよく、患者の気持ちを軽くさせています。
中庭の「にわたずみ」は、雨の日には水芸をみせてくれます。出かけることが億劫な雨の日だけの患者さんへの「おもてなし」です。ゆったりとくつろげるスタッフルームは院長の配慮です。
一方、住宅部分はきわめてコンパクトですが、収納とテラスを有効に配置して補っています。テラスはこの住宅の要であり、クリニックと住宅の「距離感」をとるためにも有効です。双方の雰囲気をガラリと変えたことも、「職住近接」による弊害を軽減させたいと考えたからです。
<<雨の日が楽しい
「水平の庭]、「垂直の庭」、「頭陀寺の庭」>>
▶ブログのトップページに戻る
ブログについての不明な点等は、お気軽にお問合せ下さい。
▶お問合せ先はコチラ