環境エネルギーと生きるエネルギーに着目し、60代の夫婦のためのコンセプトハウスを設計しました。
環境エネルギーについては、家でエネルギーを創り、エネルギーの使い方を工夫(省エネ)します。地域の特性を生かし、住宅の基本性能をアップさせ、限られた化石エネルギーを効率的に活用する。従来の日照や通風を考慮しながら、ライフスタイルやライフステージに最適なエネルギーシステムを選択できます。具体的には太陽光発電システムと家庭用コージェネレーションシステムのエネファームによるダブル発電を用います。現在、国による太陽光発電の有利な買取制度や補助制度があり、設備のイニシャルコストを抑えることができます。
もうひとつ住宅の重要なポイントは、人間が生きるエネルギーを育てることです。この家は露地の中庭を中心に居室が囲んでいます。コンパクトですが、空間は庭を通して横に、あるいは上部に広がっています。光や通風が巧みに調節され、プライバシーや防犯も配慮されています。屋上のテラスは開放感がいっぱいで、家族が帰省したときの楽しい食事をする憩いの場所でもあります。こんなささやかなことがあたりまえならば、自然生きていこうという心も湧き上がってくるに違いありません。この家は生きぬくためのエネルギーを漏電しない住まいなのです。
この家はカラリとしてシンプルですが、生活を飽きさせないしかけが豊富であります。あれこれ考えても拉致があかないことで悩まず、生きるエネルギーを漏電しないことです。そんな風に心がけたいと思っています。ポジティブな思考を超え、ありのままに見るという日本人の伝統を生かすならば、ころあいの住まいとなってくれると思います。普段は静かな生活を過ごしていますが、ときには大勢の来客も大歓迎です。こんな風に暮らして欲しいと思っています。