株式会社ナウハウス
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ナウハウス所長の鈴木です。今何を感じ、どのように建築に向き合っているのかを伝えていければと思います。
ナウハウス一級建築士の高橋です。設計を通して感じたことや現場の進捗を気軽に綴っていきたいと思います。

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日本建築大賞公開審査
2006-03-23
JIAが新たに設けた日本建築大賞の公開審査が2月25日建築家会館で開かれ、そのプレゼンテーションとヒヤリングを拝聴してきました。ナウハウスは「ZOOO」を出しましたが、472作品中、23作品までの選考に残りましたが、現地審査対象の7作品に残ることはできませんでした。審査委員は鈴木博之さん(建築史家・東京大学教授)、上田実さん(住まいの図書館出版局編集長)、五十嵐太郎さん(建築史・建築批評家・東北大学助教授)です。
 日本建築大賞には妹島和世の「梅林の家」、日本建築協会賞には陶器二三雄「国立国会図書館関西館」、日建設計の櫻井潔「泉ガーデン」、芦原太郎・北山恒・堀池秀人「公立刈田綜合病院」が選ばれました。住宅や地域開発レベルの高層ビル、公共建築といった、規模も目的もまったく異なる建築を一同に並べての審査でしたが、おおむね合点のいく結果でした。なぜならそれらの作品は、その建築家にとって重要な、ピークを示す作品であるし、建築の可能性を広げていることを評価していることに納得がいきました。
 [梅林の家]などは5人家族のための16mmの鉄板製のモノコックの立体的なワンルームで、薄い壁ならではの新たな空間効果を生んでいます。薄い壁には内壁と外壁共に大小の開口部が開けられ、隣の部屋の風景が開口を通して絵画のような錯覚をさせています。小さく、薄いスケールで、開口部と壁の閉じているような、開放的であるようなアンビバレントな印象を持たせています。このような空間意識の拡大は建築にとって創造的であり、意味のあることだと理解できます。そしてその曖昧性はその住宅の内部と外部の両方に働いていて、確かに建築の既成概念を打ち破っていると思うのです。
 多くの必然性があって妹島さんは鉄板によるモノコックの住宅を設計したのだと思いますが、新しいことに建築の価値の多くを置いている妹島さんならではの解決方法だと思います。妹島さんは勇敢な探検家なのです。多くのことを犠牲にして、新しい空間効果を獲得しているのです。
 ナウハウスも創造的なことにもっともっと参加したいのですが、自分にあった切り口でなくてはならないと考えています。時が移り、周囲の状況は刻々と変わっています。温故知新といいますが、既成概念を見直して、ケレン味のない新鮮な建築を見つけることはできないのでしょうか。
 振り子がどちらかに振り切ったときではなく、最もスピードに乗ったときの、いいタイミングをとらえた、イチローなみのヒットは不可能でしょうか。大賞の公開審査に立ち会ったことは、ナウハウスの設計へのスタンスを考えてみるよい機会でした。そしていままでどおりの方針でいいのだと思いました。
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