ナウハウス所長の鈴木です。今何を感じ、どのように建築に向き合っているのかを伝えていければと思います。
ナウハウス一級建築士の高橋です。設計を通して感じたことや現場の進捗を気軽に綴っていきたいと思います。
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雨の日が楽しい
2006-07-05
おおるり眼科クリニックが今年の6月で一年を迎えました。中庭(にわたずみ)の池の金魚を猫から守るための相談で、クリニックの奥さんがナウハウスにお見えになりました。その時、クリニックの現況を聞くことができました。来院者が順調に増えていることでまず安心しました。クリニックは、待合が広くて明るく、病院らしくないことが患者さんにとって良いようです。クリニックの建物が看板であるし、クリニックの計画そのものが患者さんへの「おもてなし」の気持ちを表していると聞いて嬉しく思いました。クリニックの空間の構成に先生の患者さんに対する考え方が表れています。
このクリニックを知ったきっかけを患者さんにアンケートしたところ、ほとんど口コミによる情報でした。開院時の案内看板の設置は最小限でいいというのは意外でしたが、よく考えればなるほどと思います。駐車場が広場のようにゆったりとしていて、駐車しやすいことは、子供を連れて来る若い奥さんには好評です。年配の患者さんは一人で来ることが多いのですが、若い奥さんたちは子供さんを全員連れて来ます。
待合をホールのような空間にしたことは正しかったようです。[気持ちがいい」とか[来てよかった」とか皆さんが言って帰られるとのこと。このホールでコンサートを開いたこともお聞きしました。
スタッフの皆さんの雰囲気も患者さんの気持ちをなごませてくれているようです。このクリニックのスタッフルームは、先生の要望でゆったりとしたスペースをとっています。
開院する時、銀行や医療機器業者まかせにしないことも大切なことです。リスクを恐れるばかり、借り入れを少なくし過ぎて建築のスケールを誤まることが多い。クリニックという事業はほかの事業よりもずっと安全なのです。こわがって萎縮しすぎて始めるよりも、「軌道に乗せることだけを一番の目的として覚悟を決める」ことが大切なのです。
クリニックの開業のエリアはある程度整理されているし、「治療という専門のノウハウ」をもった仕事は、ほかの事業に比べてはるかに安全なのです。銀行はスタート時の不安に合わせて、借地を勧めたり、とりあえず始められる最小限の規模を薦めます。待合などは特に削られて、外の車の中で待たされることも珍しいことではありません。
経営で成功するためには、クリニックに「付加価値」を付けることが大事なのです。借地料はけっして安くはないし、後からの増築はうまくいかないことが多い。自分で調べて、自分でを決めることが重要です。独立しようとする勤務医は毎日が忙しいと思いますが、「世間に出る」ためには調査を人まかせにしすぎないことです。自分でできる範囲で聞くだけでもずいぶん気持ちが楽になると思います。リスクを恐れすぎると将来への展望も開けないのです。借地の場合20年経っても自分の土地にならないことは、リスクを負って働く人にはりあいのないことではないでしょうか。
眼科のクリニックの立地についても、患者は老人が多いので駅に近いことは重要ですが、何人かで車で来る患者さんも多いので、駅から歩けるほどほどの距離で、ある程度の駐車場を確保することを忘れてはなりません。
また結果的なことですが、調剤薬局を特定しなかったこと良かったようです。すべての薬局とおつきあいができることは、情報を交換できることで、多くの縁を得られるのです。薬局からの患者さんの紹介はありがたいことで、広く散らばった患者さんの口コミは強力です。
一年経って、おおるり眼科クリニックの経営は軌道に乗ったようで安心しました。とりわけ急患に対する先生の対応や手術後の予後のていねいな処置には感心いたしました。このクリニックが順調な成長をしていることのいちばん大切なことをお聞きしたような気がいたします。
梅雨ということで雨が続いています。雨の日が楽しい「にわたずみ」が大活躍しています。頭陀寺の池の浮草をたっぷりとクリニックの池に入れてもらうことにしました。金魚と浮草が池に彩りを添えてくれるでしょう。「雨の日が楽しい」すばらしいことです。おおるり眼科クリニックは、雨の日に行くと[水芸」が見れますよ。
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