設計を依頼するうえで大事なことは、設計者との相性です。
「事務所の雰囲気」、「設計者との会話」、「自分のこだわりへの設計者の答え」で気が合うか確かめてください。「こうあって欲しいこと」、「面白がりかた」、「喜びかた」、といった「価値観を共有できるかどうか」が大切です。
そして「これから相談を続けていけそうか」、「信頼できそうか」、さらに、「設計を委せてよさそうか」を判断してください。
予算は、はじめに精一杯の金額を教えてください。
計画の骨各をつくる上で、現実的に予算は重要です。
予算をふまえて、ぎりぎりの全体の資金計画を作成します。設計内容と敷地条件を考慮し、建物本体に掛けられるお金、あるいは可能な床面積、規模、構造の種類、設備の程度を判断します。ここで基本構想を決め、概算を算出して目標設定をします。
ただこれはあくまで予算取りで、実際の工事費ではありません。詳細な工事費の算出は設計の内容が決定してから行います。
設計は、建主の希望をたった一つの現実の建物に結晶させる、仕事です。多くの制約を乗り越えて、現実の中に出現させる大仕事です。
ナウハウスは、禍を転じて福と成すことを追求してきました。冴えを目指して精一杯のエネルギーを投入し、独自のノウハウを蓄積してきました。ご希望をすべて聞いて、優先順位をつけて整理し、設計の中に実現させます。
とかく「デザインがいい」と言うと機能を犠牲にしていると誤解されがちですが、ナウハウスは実用を優先しています。設計の深さが欲しいからです。デザインという言葉から、表面のビジュアルな要素に目が行きがちです。「建主の要望や性能あるいはコストを総合的に解決し、納まっている」ことは分かりにくいのですが、これを「デザインがいい」と言うのです。ナウハウスは一貫して設計の冴えを追求しています。「設計の手応え」はそこでの飛躍にあるのです。
図面ではすべてを理解しきれないかもしれません。よく理解していただくために模型と図面と照らしあわせ、空間の確認をしていただきます。
詳細な工事費は、打ち合わせを重ね、正確な図面が決定した後、施工会社に見積りを依頼します。
最初の見積りはほとんどオーバーします。ここから第2の設計が始まります。
優先順位にしたがって、矛盾解決の提案をいたします。ここがナウハウスの経験と腕力の見せどころです。減額のための厳しい取捨選択によって贅肉が落ち、設計案がシェイプアップされるのです。設計の飛躍のチャンスです。
減額は、建主と施工者の理解と協力が必要です。
設計者が、実施設計にしたがって設計意図を実現させることを、「監理」といいます。施工会社による現場の「管理」とは区別しています。施工が始まってからの監理は第3の設計
と言ってよく、設計者の建築に対する姿勢や経験が問われるところであり、逆に根本的な能力を発揮するところです。
実際の施工は予定通りにはいきません。工事が進むと、建主にも新たな要求が生まれてきます。その時にもっと踏み込んで提案することができるのです。曖昧な細部を整理し、取捨選択を厳密に行います。新たな予算が必要になる場合がありますが、メリットとデメリットを勘案して選択していただきます。
住まいの設計は建主の夢をたった一つの現実の建物に結晶させることです。設計では、夢を現実にするために、イメージスケッチを図面に起こしていきます。さらに、建物は立体的なものなので、前後左右の3次元の計画内容を図面で検討しなければなりません。また現実に実現するためにはコストや規模、構造の裏付けを数値でも検討しなければなりません。構造の専門家による、コンピュータ解析が必要な場合もあります。設計段階では模型を作って設計の確認をします。施工段階では原寸大のモックアップを作って、構造や制作手順の確認をします。この過程は建主にも確認していただいて、図面だけでは分かりにくいところを補っていただきます。