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ホタルの家
この住宅は、古い街道沿いにある典型的な間口10m奥行き85mの細長い敷地にある。この地は奈良時代から国府や国分寺がおかれ、東海道の交通や輸送の要所であったが、全国の商店街の例にもれず、現在の繁栄からは取り残されている。33年前に建設されたままのこの住宅は、耐震性もなく、設備は老朽化していた。そして成長した家族のためにも個室群を必要としていた。
予算も限られていたため、残せる骨組はできるだけ残して補強し、増築部分によって全体の強度を高めた。快適な居室空間を得るために個室Bのベランダや、個室C・Dのバルコニーを設けた。2階通路に設けた強化ガラスの床によって、奥まった居間に採光をとっている。ユーティリティーの南面のポリカーボネート63波(t=1.5)は、西風の吹き込みを防いでいる。
このリニューアルは35万円/坪たらずの施工坪単価によって行われた。採光や断熱の工夫によって、光熱費のランニングコストも抑えられた。家族構成が常に変わっていく現在、さらに未来を見据えたリニューアルのなかには、まだまだ発見されていない建築の醍醐味が秘められているのではないだろうか。