仕事例>住宅 >K-HOUSE
K-HOUSE
敷地は浜松駅から西へ3.5Kmの台地の第一種住居地域にある。敷地は風致地区のなかにあり、規定により建蔽率は40%とされ、道路境界線と敷地境界線から壁面を後退させなければならなかった。185㎡の敷地のうちに、決められた位置の120㎡の中に配置しなければならないのである。敷地は北側の6mの公道に接し、正面には高圧線の鉄塔があり、敷地の上空を数本の高圧線が横断していた。さらに南面の隣地は産業廃棄物処理コンテナの集積場で、環境は決して恵まれているとは言えなかった。
ここにグラフィックデザインを職業とする夫婦とその母親のために、アトリエ付のコンパクトな住宅を設計することを要求された。周囲の環境は劣悪であるので、コートハウスとする方針を最初に決めた。
そして敷地の変形と、風致地区の規定による壁面後退を逆手にとって、住居において必要とするスペースを素直に配置していった。1階は玄関ホールを中心に、母のための個室とLDKと水周りを置き、風除室を兼ねた階段でホールと2階のアトリエを繋いだ。2階はアトリエを挟んで、夫婦のための寝室とデッキテラスを置いた。デッキテラスの周囲は2.1mの壁で囲われ、周囲の環境から守られた屋上の憩いの場となっている。